「ひとつ屋根の下」

93年4月12日から6月28日に放映された連続テレビドラマ。平均視聴率28.4％、最高視聴率37.8％を記録するなど大ヒットドラマとなりました。また、福山さんはこのドラマをきっかけにブレークしています。

「ひとつ屋根の下」

出演

江口洋介、福山雅治、酒井法子、いしだ壱成、大路恵美、山本耕史、内田有紀、千葉麗子、辰巳琢郎、鈴木ほのか、川津祐介、寺脇康文、村上里佳子、河合美智子、中谷美紀、安達祐実、小木茂光、清水紘治他

両親の交通事故が原因で離ればなれになった兄弟達がひとつ屋根の下に一緒に暮らすことになる。様々なトラブルを乗り越えながら兄弟の絆を深めてゆく。

トレンディドラマ全盛期の中であえて、そうじゃないドラマに挑戦しようと作られたのが「ひとつ屋根の下」です。

このドラマでチイ兄ちゃん役を演じた福山さんは台本を見ただけで笑えたし、泣けたといいます。その時「あぁ、面白いドラマってこうやって作るんだな」と思ったそうです。

このドラマのクランクイン直後のファンクラブの会報誌で福山さんはこんな言葉を残しています。

「初めてのフジテレビ、初めてのスタッフ。スタッフは僕をどう見ているのだろう？僕はスタッフの期待に答えてる？とか。僕は1回の評価が全てだと思って仕事してるとこがあるからさ。まぁこういうとカッコイイかもしれないけど、要は不安なんだよね。」

ドラマの収録は渋谷のスタジオが多かったそうで、ほぼ徹夜で行われ、また朝から収録が始まることもあったそうです。

このドラマの現場には福山さんは自分が運転する車で行っていたそうで、徹夜で仕事をした後は運転すると危ないので、近くに友人が働いているホテルで安く泊めてもらっていたそうです。

このドラマで大ブレークした福山ですが、「チイ兄ちゃん」があまりにも有名になってしまい、どこに行っても「チイ兄ちゃん」と呼ばれ、ライブ会場でも黄色い声援が飛ぶ。バラードを歌っている時は騒がしくて「ちょっと静かに聴けよ！」と観客に向かってどなったこともあったとか。

ちなみに、このドラマの収録中までは福山の給料は「ずっと15万円ぐらい」だったそうです。その頃住んでいたアパートは「ホントにドラマみたいな家」だったそうです。

その頃住んでいたアパートの隣の部屋からは「出稼ぎに来ていた外国人の方の家から毎日『Say Yes』が聞えてきて、で、オレの部屋の玄関には毎日家に帰ると京樽の寿司がかかっていた」そうです。

京樽のお寿司は「ひとつ屋根の下」を見ていたファンの女性が京樽でアルバイトをしていたそうで、ドラマの中のチイ兄ちゃんを見て、本人も相当貧乏だと思ったのか、バイト先の賞味期限切れのお寿司をいつも玄関に置いていってくれていたそうです。

ドラマの後は給料を上げてもらったそうで、すぐに大田区にある地下駐車場付きのマンションに引っ越したそうです。マンションに住んだのはこの時がはじめてだったそうで、「オートロックのマンションだった」と語っています。

本人は当時のことを振り返って安いアパートから一気にマンションに住むとか、10万円の車からポルシェということを当時はやりたかったと語っています。